ヘッダー写真

1974年11月23日 下り列車

蒸気機関車イメージ画像

知合いの車に乗せてもらい、初めて鉄道と徒歩による効率の悪い撮影から解放される。大阪南港からサンフラワーフェリーに乗り、苅田港からアプローチした。田川線は何といっても油須原をサミットとして、両方から9600型蒸気機関車がゆっくり登ってくるところであり、迫力ある煙と音と景色を楽しめた。最初は崎山から油須原に向けて登ってくるSLの姿を捉えた。遠く崎山のほうから登ってくる姿は、望遠レンズが有効だった。最後にレンズを標準に戻し、鉄橋を渡り油須原に到着する姿を撮る。この鉄橋の近くは源じいの森駅になっており、温泉施設ができている


1974年11月23日 上り列車

蒸気機関車イメージ画像

次は内田信号所から油須原に向かうSLを現 赤駅近くで撮った。この日はモノクロフィルムが入ったオリンパスの標準レンズで内田のほうから後ろ補機を従えて、ゆっくり登ってくる姿を捉えた。個人の感想だが、関西本線の加太の大築堤に匹敵する、第1級の撮影ポイントと言えるだろう。


1974年11月24日 秋風景

蒸気機関車イメージ画像

後藤寺で一泊した後、もう一日油須原での撮影を楽しんだ。秋の紅葉が進んでおり、カラーの作品は秋の美しい風景を楽しめる。バックにはまだ標高の高かった香春岳が大きく見えており、現在とは大きく違っている。時代の移り変わりも風景から感じられる面白い写真だと思う


1974年11月24日 廃車体

蒸気機関車イメージ画像

最後は大阪に帰るフェリー待ちの間、行橋機関区を訪問した。すでに九州からSLが全廃する一か月前となっており、役目を終えたC11や9600の無残な姿を見てしまった。保存されたのはほんの数量しかなく、ほとんどの機関車は鉄くずとなって、姿を消した。記録として写真に残したが、時代の変化による淘汰は無残な一面でもあった